チェスタトン「マンアライヴ」二部二章第244回

その泥棒は、副牧師と同じくらいに親切で、人情味にあふれているように思えた。それに勇敢でもあり、自信にもあふれていたが、副牧師には、そうしたところはなかった。上流階級には、美徳というものがないことは分かっていた。私も、そうした階級に属していたからだ。その下の階級にしたところで、大した相違はなかった。私は、そういう階級の者たちと一緒に長い間暮らしてきた。聖書の古い文句のなかで、嫌悪される者や迫害される者についての言葉がたくさん心にうかんできた。そして聖人は、犯罪者たちの階級に隠れた方がいいかもしれないとも考えた。ホーキンスが梯子をおりた頃、私は低く、傾斜のある青いスレート屋根を這い上り、大男のあとにつづいていた。その男は私のまえで跳ね、まるでゴリラのようだった。

 

The burglar seemed quite as kind and human as the curate was— and he was also brave and self-reliant, which the curate was not. I knew there was no virtue in the upper class, for I belong to it myself; I knew there was not so very much in the lower class, for I had lived with it a long time. Many old texts about the despised and persecuted came back to my mind, and I thought that the saints might well be hidden in the criminal class. About the time Hawkins let himself down the ladder I was crawling up a low, sloping, blue-slate roof after the large man, who went leaping in front of me like a gorilla.

 

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