丸山健二「千日の瑠璃 終結2」二月一日を読む
ー「退学」が語る学校ー
二月一日は「私は退学だ」と、普通の高校生が当人の事情でした「退学」が、学校をやめて解放感に溢れている高校生の喜びを語ることで学校という存在の矛盾を問いかける。
以下引用文。「退学」が見つめる学校の在り方は、丸山先生の心にある思いなのだろう。まさにその通りの場である。
でも最近では「優秀な労働者」どころか、物言わぬ労働者、物言わぬ市民を大量生産するための場になり下がっているいる気もする。
「おのれの意志と決断」「飛び出した」という言葉に、「退学」した若者の心がよく表されている気がする。
従順で在りながら
適度に優秀な労働者となる若者を選りすぐるための
窮屈で堅苦しい
疑問だらけの場、
彼はどこまでもおのれの意志と決断でもって
そこから飛び出したのだ。
(丸山健二「千日の瑠璃 終結2」95ページ)