丸山健二『千日の瑠璃 終結4』八月二十三日を読む
ー作者のようにも思える姿ー
八月二十三日は「私は衰弱だ」と、食あたりで弱った世一を心身ともに痛めつける「衰弱」が語る。以下引用文。これは世一というより、なんだかご自身の生を見つめる丸山先生の声のように思った。
そして当の世一はというと
幸福に思えなくもないオオルリとの日々へ埋没したまま
生温かいジュースをちびちび飲みながら
青い鳥を相手に雑談に耽り、
畳に腹這いになってあらぬ思いに耽りつつ
午前中をだらだらと過ごし、
この世に存するおのれを持て余すことなく
時の流れに私を委ねている。
(丸山健二『千日の瑠璃 終結4』108ページ)