さりはま書房徒然日誌2024年9月24日(火)

丸山健二『千日の瑠璃 終結4』八月二十三日を読む

ー作者のようにも思える姿ー

八月二十三日は「私は衰弱だ」と、食あたりで弱った世一を心身ともに痛めつける「衰弱」が語る。以下引用文。これは世一というより、なんだかご自身の生を見つめる丸山先生の声のように思った。

そして当の世一はというと
   幸福に思えなくもないオオルリとの日々へ埋没したまま
      生温かいジュースをちびちび飲みながら
         青い鳥を相手に雑談に耽り、


畳に腹這いになってあらぬ思いに耽りつつ
   午前中をだらだらと過ごし、

この世に存するおのれを持て余すことなく
   時の流れに私を委ねている。

(丸山健二『千日の瑠璃 終結4』108ページ)

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