さりはま書房徒然日誌2024年10月18日(金)

丸山健二『千日の瑠璃 終結4』九月二十四日を読む

ー自我とバランスを取り難くー

九月二十四日は「私は存在だ」で始まり、「少年世一の自我としての揺るぎない存在」が語る。

以下引用文を読み、人間とは自我を超えて過剰に怒ったり、喜こんだり、悲しんだりする生き物なのかもしれない……でも、そこが人間たる所以なのだろうか……そんなことを思った。

つまり世一は
   必要以上に私の前にしゃしゃり出ることもなければ
      私の背後からしぶしぶ付いてくるということもなく、

そうした生き方が可能なのは
   まほろ町ではおそらく彼ひとりくらいなもので、


しかしまあ
   人間以外の生き物では
      動物にしても植物にしても
         それが当たり前のことだった。


(丸山健二『千日の瑠璃 終結4』235頁)

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