さりはま書房徒然日誌2025年4月28日(月)

丸山健二『千日の瑠璃 終結6』より三月十三日「私はニュートリノだ」を読む

「罪にまみれたこの惑星に降り注いでいた 謎多きニュートリノ」が語るという設定は、物理書を読んだりするのが好きな丸山先生らしい。

以下引用文。世一の体の中で動きを止めたニュートリノ。その場所とは、いったいどこなのだろう?精神なのだろうか?全てを語らず、こんな謎を残したままなのも楽しい。

その場所は
   脳でもなければ循環器でもなく
      筋肉でもなければ血管でもなく
         いかなる臓器も納められていない摩訶不思議な空間で、

物質以外の何かがいっぱいに満たされ
   有限でありながら無限でもあるという
      なんとも不可解な世界で、

ともあれ
   動けなくなった私は
      消滅の一途を辿るしかない。


(丸山健二『千日の瑠璃 終結6』

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