製本基礎講座 改装本 1/6回 データつけ&修理解体
中板橋の手製本工房まるみず組の製本基礎講座28回へ。
本日から六回にわたって改装本に取り組む。
まず一回目の今日はデータつけ&修理解体。

カバーや帯、表紙はまたあとで使うので大切に保管。
表紙素材、タイトル、見返しの色、出版社名、著者名、天地や左右の大きさをメモ。
本文と見返し部分に力を入れて解体。↓
解体した後、折丁についてもメモ。
この本はひと折16ページ。全部で七折。

さらに折丁ごとにバラしていく。折丁の真ん中を開けると綴じ糸が出現。この糸をスパチュラで持ち上げてカッターでプスっと切断。横からそっと引っ張ると折丁がパラパラ解ける。↓

バラバラになったら接着剤の残りを剥がしてお掃除。
下はお掃除前。端に接着剤が茶色く残っている。これをそっと引っ掻いて落とす。

下はお掃除後。カリカリ引っ掻いてだいぶ白くなった。
私のことなので少し千切れてしまったが、先生によれば大丈夫らしい。

折丁の背中がツルツルするまでお掃除したら、折丁の背中に短冊状に切った和紙を貼っていく。
ボール紙に貼った和紙を短冊状に切ってプチっとちぎって貼る。
ボール紙の部分までしか写真に撮ってなかった。優しく和紙にくるまれた折丁の山は撮り忘れた。

こうして修理解体できるのも、もとの本が糸綴じだから。今は接着剤だけの無線綴じがほとんどだと思う。それでも修理解体は出来るが、やり方が違うらしいし、余計な手間がかかるようだ。
世の中は便利になっているようで不便になっているのかもしれない。
この本にどんな表紙をつけようか、どんな函をつくろうか……楽しみである。