手製本基礎講座46回 『星の王子さま』丸背改装本とスリップケース完成
中板橋の手製本工房まるみず組の製本基礎講座46回へ。
今日で『星の王子さま』丸背改装本のスリップケースも完成する。
作業開始。黒い部分は革。裸のボール紙部分に紙を貼る。

手製本の世界は細やかだ。
革部分とボール紙部分の段差をなくすために、表紙用の紙を貼る前にその下にまず厚い白い紙を貼る。↓
ここで失敗をやらかす。
白い紙でスリップケースを包むように貼ればよいのに、平と背表紙のところでバラバラに切断してしまう。
先生に言われて呆然とする。
でも先生はすぐどうすればいいか、なるべく作業を無駄にしないように考えて指示してくださる。
ありがたい。
講座を受けている間しょっちゅう失敗しては、そのたびに先生にフォロー案を出して頂いて、失敗しても立ち上がれる精神を培ったような……。
失敗しないのがベストなのだが。

手製本の世界はとても細かい。
先生はほんの少しはみ出している部分を素早くチェック、切り落とすように助言下さる。↓

先生のおかげで『星の王子さま』丸背のスリップケースがようやく完成。
紙は星のイメージで選んだけど、目がチカチカするだろうか。
ちなみに名古屋の紙の温度さんにネット注文して取り寄せた紙である。
紙の温度さん、すごく対応が早くて14:58に入金したら、翌日8:30には宅急便が到着してびっくりした。

本も、ケースも丸背!
丸背の本というものを目にする機会は少ないけれど、可愛らしさ、優美さがあってよいなあと思う。
また丸背を作ってみたいもの。

手製本で自分で何とか本の形をしたものが作れるようになると、書く行為への意識もずいぶん変わってきた気がする。
印刷所に頼むと僅かなページ数や冊数の差、並製本か上製本かで物凄く予算が違ってきてしまう。
でも自分で製本をすると、ページ数や製本の仕方で予算が違ってくるということはないから、のびのび書ける気がする。
ページ数を気にしなくていいから、思いっきり余白をとることが出来る。
そうして生まれる余白と文が呼応する気がする。
余白部分には、挿し絵、ステンシル、ちぎり絵など下手であっても私の小さな世界を入れることも出来る。
もちろん数はたくさん作れないが、もともとたくさん売れる訳ではないし、でも読んでくれる人はいるし……。
だから自分の手で自分の作品を手製本にして、読みたいという少数の人に届けるという形はとても楽しい。
この楽しみを教えてくれたまるみず組に感謝!