マーブリング!マーブリング!
中板橋の手製本工房まるみず組のマーブリング集中講座に行ってきた。
10時から18時頃までの予定が、実際に終了したのは19時過ぎだった。
でも得ることが多く、マーブリングも楽しく、あっという間に終わった感じがする。

マーブリングの道具作りから始める。先生がきちんと説明してくださっているのに、ここでも針の方向を間違えたりモタモタする。
両面テープと苦闘している間に、先生が目印用に印刷してくれていたピンを置く位置の印が剥がれてしまったり……

何とか道具が完成。
先生は何度も「ピン同士が平行になるようにするのが大切」と言ってくださる。
平行に並べるって、私にはすごく難しい。器用で、丁寧で、呑みこみのいい人間に生まれたかった……と思いつつ完成。
絵の具は、奈良の墨運堂という墨の会社が作っているマドレーというものが色の定着や発色がいいとのこと。
マドレーに入っている糊の粉を容器に少しずつ入れて溶かしていく。
こんな風に準備して、18枚の紙にマーブリング、本の小口三方にもマーブリング、布二枚にもマーブリング。
マーブリングを満喫!

マーブリングは元々偽造防止のために施された飾り。工房によって色や模様が異なり、その作り方は門外不出のものが多いそう。
本にも載っていないマーブリングの作り方を、先生は作品を見てお一人で何度も試行錯誤してご自分のものにされていったらしい。
それを惜しみなく模様ごとの作り方をプリントにもして下さり、一つずつ一緒に模様の作り方を教えて下さった。何ともありがたい講習である。
そんな先生でも、まだ作り方の分からないマーブリングの模様があると言う。マーブリングの世界は奧深く、秘密の世界でもあるのだ。

先生と手製本の出会いを伺いながらのティータイムも楽しかった。
また世界中の本の修復現場で日本の和紙が使われていること、和紙の国・日本に憧れる海外の製本家が多いこと……なども伺い、何となく元気が湧いてくる。

色々教えて頂いたのに、色がつかなくて白いままの箇所が残ったり、色のセンスが良くなかったり、色々私のマーブリングには課題も多いけれど。
今こうして写真を見ていて、墨の会社が作っているからだろうか?
普通なら重くベタっとした感じになりそうな黒が、なんとも言えない滲み具合で、こういう黒ならもっと使えばよかったと思う。

まるみずで学ぶまで、私はどうも革製品が苦手だった。
でも今では革とマーブリングの組み合わせに温もり、存在感を感じていいなあと思う。
先日京都で見てきた手製本の展示会でも、素敵なマーブリングを見返しに使用した本があった。
また私的には、自作の本文に淡い、微かなマーブリング風の模様をつけても面白いのでは……と思っている。
私の自作の手製本に下手なマーブリングを見かけたら、絵の具まみれになって悪戦苦闘している私の姿を想像して苦笑して頂けたらいいな、と思う。