さりはま書房徒然日誌2026年1月7日(水)

丸山健二「千日の瑠璃 終結7」より八月二十九日「私はモズだ」を読む

籠の外からモズが世一が飼うオオルリを眺める。

オオルリとモズの姿をじっと眺めて描いているようでいながら、鳥に人の世を反映させて思索する文。

そもそも私にはオオルリとモズの区別もよくついていないし、鳥の姿に人の世を被せて考えるなんてしないなあと反省した。

私は春先からずっとオオカエデの枝に止まって
   この美しすぎる姿の青い鳥の
      これまた美し過ぎる鳴き声を学び取ろうとし、

これまで九十九種類の鳥のさえずりを習得してきた私の
   まさに最後の目標はいうと
      オオルリにほかならず、


(丸山健二「千日の瑠璃 終結7」391ページ)

ところが
   籠のなかだけが勢力範囲のこのオオルリときたら
      私の口真似にはいっさい動じず、

しかも
   確かに似てはいても
      哲学的な響きの欠落だけはいかんともしがたいなどと
         皮肉混じりの厳しい揶揄を投げかけてきた。


 (丸山健二「千日の瑠璃 終結7」392ページ)

残念ながらそいつは少しも慌てず
   檻の真ん中でじっとして
      たまには自分の声で鳴いたらどうだとからかい、

そのひと言で我に返った私は初めて恥というものを知り


((丸山健二「千日の瑠璃 終結7」393ページ)

さりはま について

更新情報はツィッター sarihama_xx で。
カテゴリー: 未分類 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.