さりはま書房徒然日誌2026年8月13日(水)

丸山健二「千日の瑠璃 終結8」より十月四日「私は行列だ」を読む

「少年世一によって辿られる 黒アリの長過ぎる行列」が語る。

以下引用文。黒アリの生態を彷彿とさせる文から、全体主義を連想してゆく発想が面白いなあと思う。

巨石の真下に築かれた
   複雑にして巧緻な巣と
      共同墓地に供えられた
         甘過ぎる饅頭とのあいだを
            途切れることなく結ぶ私は、

ひょっとすると
   全体主義者を確言して憚らぬ誰かに
      よく似ているかもしれない。


(丸山健二「千日の瑠璃 終結8」134ページ)

ただ全体主義のように見える黒アリも、人間の社会のおぞましさはないようだ。

自然に人間社会を重ねて見るところも丸山文学の面白さ。

勇猛な兵士と
   勤勉な労働者から成る私は
      粒々辛苦の末に目的を遂げ
         由々しき問題もなんとか解決し、

だからといって
   ひと握りの特権階級のための
       おぞましい集団などではない。

(丸山健二「千日の瑠璃 終結8」136ページ)

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