アダム・スミス 道理感情論 1.1.46 徳がある人と礼儀正しい人は違うもの

この点に関しては、重要な違いがある。徳があるということと、単に礼儀正しいということのあいだにも、重要な違いがある。賛美に値する特質および行動と、ただ認めるだけにすぎない特質のあいだにも、重要な違いがある。多くの場合、どれほど礼儀正しく行動するとしても、ごくありふれた普通の感受性と自制心しか要求しない。その感受性と自制心は、どんなに価値のない者でも持ち合わせている。しばしば、それがどの程度のものかということは問われない。例えば低俗な例をあげよう。空腹なときに食べるとする。これは、普通の場合、たしかに正しいことであり、適切なことである。どんな人からも、認めてもらえることである。しかしながら道徳にかなっていると言うには、これほど道理にあわないことはない。(1.1.46)

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