アダム・スミス 道徳感情論 1.Ⅱ.24の途中まで②

仲間を敬う気持ちがあれば、荒々しく騒々しい感情にかられることもないはずだし、不快な気持ちになることもないはずである。だが、実際にはそうした感情にかられた。こうした情熱の結果が、遠くはなれたところで起きることは好ましい。間近なところで起きる出来事というものは、あらがいながらもその出来事へ導かれる人にすれば、害となるものである。想像力に働きかけて、対象を好ましいものにしたり、あるいは嫌なものにしたりするものとは、身近な出来事である。けっして遠く離れた出来事ではない。例えば監獄は、宮殿よりも役に立つ。宮殿を建設する者は一般的に、監獄を建設する者よりも、愛国心からなる闘争心に導かれる。しかし監獄の影響とは、即効性のあるものであり、監獄のなかに閉じこめられた悲惨な境遇にある人に怖気をふるうものである。想像力のせいで遠く離れた監獄もたちどころに思い描くことができる。そして監獄に影響をうけながらも、遠く離れたものとして監獄を見ている。それゆえ囚人とは常に嫌な対象だろう。目的どおりに機能すればするほど、監獄は遠くから思い描くものとなる。監獄とは反対に、宮殿とは常に好ましいものである。だが、その遠く離れたところからの影響は、人々にとって、しばしばよろしくないものなのかもしれない。宮殿とは贅沢をすすめるものになるかもしれないし、またマナーが崩壊した例となるかもしれないからだ。

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