アルフレッド・マーシャル経済学原理 1.Ⅲ.21

§5 経済学の法則とは、「仮説に基づいた」ものである。もちろん、他のあらゆる科学と同じように、経済学が研究しようと試みているものも、ある原因から生じる結果ではない。絶対にちがう。経済学が研究しようとしているのは、他の出来事が等しくなることであり、原因が妨げられることなく機能するようにすることである。あらゆる科学の学説が注意深く、はっきりと述べられているときには、結果が等しくなるような条件があることがわかるだろう。調査では、原因となる行動は切り離されて考えられる。だが、その行動はある結果の原因となるものである。だが、それはどんな理由であろうと、はっきりと認められたものでなければ、考慮することは許されていない。しかしながら時代には、原因を見つけて効果を生じるという状況が求められている。それが経済において、困難が生じる原因なのである。これは確かに真実である。そうしているあいだに、経済が研究しているデータも、原因そのものも変わった可能性があるからである。調査で述べられている傾向も、はっきり判明するほど十分に長い期間にわたるものでもない。この困難については、後に考えることにしよう。(1.Ⅲ.21)

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