ブリッジの三人目の参加者は、とフランチェスカは冷ややかに考えた。それはレディ・キャロライン・ベナレスクだった。レディ・キャロラインはブリッジがとても上手だというわけではなかったが、情け容赦なく自分がついたテーブルを支配し、なんとか勝とうとした。独裁的なブリッジのプレーヤーは、相手に大きな損害をあたえ、やる気を失わせた。レディ・キャロラインのやり方は、味方にしても敵にしても同様に苦しめ、やる気を失わせた。
「ずいぶん弱いのね」彼女は穏やかな声で言って、相手をもてなす女主人の役をおりた。「百点に賭けるのは五シリングだけにした方がよさそうよ」
フランチェスカは、その老女がかけ金への課税をほどほどにしたのをいぶかった。相手が高めのゲームを好んでいるし、カードをもっているときは運がいいことを知っていたからだ。