「手際よくということについて、妙な考えをおもちですのね」彼女はいった。「もし、それが庭の塀をのりこえたり、庭の木を登ったりということなのでしたら。ふつうは手際よく木登りをしたりできないものですわ」
「でも確かに、この人は、上手に塀をのりこえることができる」マイケル・ムーンはいった。「この目でみた」
スミスは心底驚いた様子で、娘を見つめているようだった。「これは、これは、娘さん」彼はいった。「私は木を整理していたのですよ。去年の帽子がここにあったとしても、かぶりたくはないでしょう? 同じように去年の葉っぱがあったら嫌でしょう? 風は葉っぱをおとしてくれるけど、帽子はどうにも出来なかった。今日、あの風が吹いてくれたおかげで、森は片づいたのですよ。変な考え方じゃないですか。片づけるということが内気で、静かな人のすることだなんて。でも片づけは、巨人にしたら骨折りの苦労なんですよ。なぜかって? 何にせよ、混乱することなく、片づけることはできませんからね。私のズボンを見れば分かります。お分かりになりませんか? 春の掃除をしたことがないんじゃありませんか?」
“You’ve got a funny idea of neatness,” she said, “if it’s jumping garden walls and clambering up garden trees. A man can’t very well climb a tree tidily.”
“He can clear a wall neatly,” said Michael Moon; “I saw him do it.”
Smith seemed to be regarding the girl with genuine astonishment. “My dear young lady,” he said, “I was tidying the tree. You don’t want last year’s hats there, do you, any more than last year’s leaves? The wind takes off the leaves, but it couldn’t manage the hat; that wind, I suppose, has tidied whole forests to-day. Rum idea this is, that tidiness is a timid, quiet sort of thing; why, tidiness is a toil for giants. You can’t tidy anything without untidying yourself; just look at my trousers. Don’t you know that? Haven’t you ever had a spring cleaning?”