さりはま書房徒然日誌2024年12月3日(火)

丸山健二『千日の瑠璃 終結5』より十一月六日「私は神輿だ」を読む

十一月六日は「私は神輿だ」と、「神輿」がまほろ町の住人たちを語る。

以下引用文。神輿が少年世一に呟かせる「高がこれしきの世を生きるのに 何を斟酌する必要があろうかという」という言葉、そういう思いはあっても、やはり祭りの勢いの中でないと呟けない、強気な言葉なのかも知れない。いや普段から、こうした思いを抱いて生きたいもの、と思った。

最後に私は
   酒なんぞ飲まなくても四六時中千鳥足で歩くことが可能な少年に
      高がこれしきの世を生きるのに
         何を斟酌する必要があろうかという
            そんな意味の言葉を呟かせ、

とはいえ
   それが本当に彼の口から出たのかどうかは疑わしく、

ひょっとすると
   彼自身の魂から迸り出た
      天の声なのかもしれない。


      
丸山健二『千日の瑠璃 終結5』9ページ

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