チェスタトン「マンアライヴ」二部二章第245回

この上にむかう登攀はほどなく終わり、じきに私たちは重々しい足音をたてながら、広く、平らな屋根の上を歩きだしたが、そこは数多の大通りよりも広く、あちらこちらに煙突の通風管がそびえ、その光景は靄がかかっているせいで、小さな砦がならんでいるかのような重量感があった。靄のなかにいると絞めつけられるような気持ちになり、やや病的なまでに激しい怒りにかられ、その怒りのせいで、私の頭脳と体は難儀な思いをした。空にしても、それから普段なら澄んでいる全てのものが、不気味な霊魂に屈しているかのように思えた。背の高い幽霊が蒸気でできたターバンをまきつけ、月よりも、太陽よりも高くそびえ、両方の天体を覆い隠しているかのように見えた。

“This upward scramble was short, and we soon found ourselves tramping along a broad road of flat roofs, broader than many big thoroughfares, with chimney-pots here and there that seemed in the haze as bulky as small forts. The asphyxiation of the fog seemed to increase the somewhat swollen and morbid anger under which my brain and body laboured. The sky and all those things that are commonly clear seemed overpowered by sinister spirits. Tall spectres with turbans of vapour seemed to stand higher than the sun or moon, eclipsing both.

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