サキ「耐えがたきバシントン」再訳2

競争相手にしても、気分のいいときであれば、彼女がすらりと美しく、服の着こなしを知っていることを認めただろう。でも彼女には情熱が欠けているという友人の見解に競争相手も頷いたにちがいない。友人と競争相手が意見の一致をみるとき、たいてい間違っているものである。フランチェスカは、油断しているときに情熱について語るように迫られたものだから、自分の応接間の話をしたのだろう。 緻密に吟味した挙句、目立つ特徴をあきらかにしたのも、わざわざその隠された場所を教えたのも、特徴ある居間が粉々にされることを望んでのことではなかったのだろう。ただ応接間は、自分の情熱そのものだと何となくわかっていたからである。

Her enemies, in their honester moments, would have admitted that she was svelte and knew how to dress, but they would have agreed with her friends in asserting that she had no soul.  When one’s friends and enemies agree on any particular point they are usually wrong.  Francesca herself, if pressed in an unguarded moment to describe her soul, would probably have described her drawing-room.  Not that she would have considered that the one had stamped the impress of its character on the other, so that close scrutiny might reveal its outstanding features, and even suggest its hidden places, but because she might have dimly recognised that her drawing-room was her soul.

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