再訳 サキ『耐えがたきバシントン』№79

ある日の午後のことだが、昔を回想することはやめ、過去数ヶ月にわたる醜聞がもっともらしく語られたが、会話のあいまにはさまれる中断には強い意志が働いているように感じた。モリーはすでに、そうした状況から新しい言葉が生まれるのだろうと見当をつけていた。醜聞はずいぶん前に頂点に達していて、新しい局面は衰退をむかえているようなところがあった。

「あなたときたら頭のまわる野獣なんだから」彼女は愛情にみちた悲しそうな様子で、ふと漏らした。「議院でうまくやっているのは知っているけど。こんなに早く頭角をあらわすなんて思ってもなかったわ」

On this particular afternoon, when old reminiscences had been gone through, and the intervening gossip of past months duly recounted, a lull in the conversation made itself rather obstinately felt.  Molly had already guessed that matters were about to slip into a new phase; the affair had reached maturity long ago, and a new phase must be in the nature of a wane.

“You’re a clever brute,” she said, suddenly, with an air of affectionate regret; “I always knew you’d get on in the House, but I hardly expected you to come to the front so soon.”

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