2918.02 隙間読書 北村薫「朧夜の底」「六月の花嫁」「夜の蝉」

初出:1990年

東京創元社

殺人も、財産騒動も何も出てこないけれど、人の心の意外さを解き明かしてアッと驚かす北村作品、私にはとても楽しいミステリである。

「朧夜の底」で語られた赤いドレスを着て可愛い姉、同じ服を着てもなぜか可愛く思えない私のエピソード。それに「夜の蝉」の赤のスリッパ、ピンク色のスリッパをめぐる姉妹の争いも絡んで、この姉妹の葛藤も大事な伏線になっている。

こんな心の錯覚を見せてくれるミステリもいいなとおもう。

主人公「私」の名前は出てこなかったと思うが。シリーズの最後まで名前は分からないままなのだろうか?なぜ主人公の名前を空白にしたのだろう…その意図も知りたい。

読了日:2018年2月14日

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