さりはま書房徒然日誌2023年12月30日

丸山健二「風死す」1巻を少し再読する

ー「風死す」のテーマの一つに「死」があるー

「風死す」の主人公は二十七歳の癌患者……ということで、「死」も「風死す」の大切なテーマなのかもと思う。

最初の引用文。死の世界の深さ、謎を表現する言葉が面白いと思った。
二番目の引用文。犯罪者として生死の境を彷徨う主人公に見えてくる死の世界を表現しているのだろうか?


「生死の境界線」「絶頂」「一刹那」「未来への逃亡経路」「行き詰まりを打破」という言葉に、作者が抱いている死生観が見えてくるように思う。


「現実を離脱」「新たな光の下に姿を現す幻想的な枠組み」という言葉からも、決してネガティブではない死生観が見えてくるように思う。

生の世界がそうであるように 死の世界もまた 深い謎に包まれた宇宙における構造や
  ある日を境に突如として滅した古代文明の象形文字などより 遥かに不可解であり

(丸山健二「風死す」278頁)

生死の境界線を越えるときに発生する 絶頂を迎えた陶酔の
  その一刹那に集約された 状況の巡り合わせたる運命を
    未来への逃走経路と解釈して 行き詰まりを打破し


    現実を離脱したことに端を発する癒しがたい弱点を
      新たな光の下に姿を現す幻想的な枠組みで補い


(丸山健二「風死す」279頁)

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