丸山健二「風死す」1巻を少し再読
=この墜落感は?と文字数を数えたら字足らずだった!ー
以下引用文。情景が見えてくるようで心に残るし、なんだか切ない墜落感が伝わってくる……なぜだろう?と考えてみた。
「実を結ぶ」(五文字)、「努力への」(六文字)、「架け橋は」(五文字)、「渡る途中で」(八文字)、「墜ちてゆき」(五文字)
ほとんど五、七、五、七ときながら、最後は大きく字足らずで五文字である。
この字足らずが不安定さをかもしているのだろうか……とも思った。
五七五七七というリズムにあてはめるだけで、何でもない文が生き生きとしてくる……と短歌を学んで思うようになった。
その安定のリズムを最後で崩しているから、墜落という不安定さが表現されているのかも……という気がする。
実を結ぶ努力への架け橋は
渡る途中で墜ちてゆき
(丸山健二「風死す」1巻246頁)