さりはま書房徒然日誌2023年12月30日

丸山健二「風死す」1巻を少し再読

=この墜落感は?と文字数を数えたら字足らずだった!ー

以下引用文。情景が見えてくるようで心に残るし、なんだか切ない墜落感が伝わってくる……なぜだろう?と考えてみた。

「実を結ぶ」(五文字)、「努力への」(六文字)、「架け橋は」(五文字)、「渡る途中で」(八文字)、「墜ちてゆき」(五文字)
ほとんど五、七、五、七ときながら、最後は大きく字足らずで五文字である。


この字足らずが不安定さをかもしているのだろうか……とも思った。

五七五七七というリズムにあてはめるだけで、何でもない文が生き生きとしてくる……と短歌を学んで思うようになった。
その安定のリズムを最後で崩しているから、墜落という不安定さが表現されているのかも……という気がする。

実を結ぶ努力への架け橋は
  渡る途中で墜ちてゆき

(丸山健二「風死す」1巻246頁)

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