さりはま書房徒然日誌2024年1月17日(水)

変わりゆく日本語の風景ー「未来」ー

文楽公演3部「平家女護島」「伊達娘恋緋鹿子」を観に行った。
文楽によく出てくるキーワードの中には、現代の日本語とは少し意味が違うかな……という言葉も結構ある。


その一つが「未来」だ。
以下引用文は「伊達娘恋緋鹿子」のお七の言葉より。

死なば一緒と言ひ交はした私を捨てて死なうとは胴欲なむごたらしい。別れ別れに死ぬるとも、未来はやつぱり変わらぬ女夫、言うた詞違やうか

お七の言う「未来」は、私たちが「明るい未来」というように使う意味ではない。「未来世」、つまり死後の世界のことである。

この時代にも、これから起きる世界という意味で「未来」が使われることはあったようである。

ただ文楽、浄瑠璃作品での「未来」は圧倒的に死後の世界を指しているのではないだろうか……。

いい加減なダメ男が、恋人には今を誓い、妻には未来、死後の世界で一緒……と誓う作品もあったような気がする。


今、日本の政治家が「皆さんの未来のために」とか抜け抜けと言っているのは、果たしてどちらの意味での未来なのだろうか?

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