さりはま書房徒然日誌2024年1月26日(金)

丸山健二「千日の瑠璃 終結 1」を少し読む

ー紅葉、尻……それぞれの色を表現する言葉の面白さー

「千日の瑠璃 終結」十月十二日は、「私は木漏れ日だ」で始まる。
「木漏れ日」が語るのは、自然界の温もりや生命の逞しいシステム。それと相反する人間界の醜悪さを代表する屋外で抱き合う男女の姿。見つめる世一。
「紅葉」を「どぎつい色」と表現するのも初めて見る気がするし、「木々の葉を縫って進む私」という言葉に「木漏れ日の姿が見えてくる。
それとは反対に、男女の「剥き出しの尻」を「安っぽい紙のごとき白さ」と表現する言葉にも、人間への嫌悪感が伝わってくる。

例年になくどぎつい色に紅葉した木々の葉を縫って進む私は
   ふかふかに降り積もった落ち葉や
      僅かな熱源も見逃さない
         したたかなテントウムシを温めてやり


(丸山健二「千日の瑠璃 終結1」86頁)

互いに相手の年相応の肉体を激しくかき抱き
   下劣な魂を貪り合う
      どこか哀しげな雰囲気を醸してやまぬ男女の
         剥き出しの尻を
            安っぽい紙のごとき白さで光らせる


(丸山健二「千日の瑠璃 終結1」86頁)

さりはま の紹介

更新情報はツィッター sarihama_xx で。
カテゴリー: さりはま書房徒然日誌 タグ: , パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.