さりはま書房徒然日誌2024年3月31日(日)

丸山健二「千日の瑠璃 終結1」を少し読む

ーゴミ袋が宇宙にも思えてくる不思議さー

十二月十四日は「私はゴミ袋だ」で始まる。
ゴミ袋という捨てられるだけの存在が、なんとも哲学的に美しく、そしてそのユーモラスな存在に思えてくる丸山先生の語り口である。

さながら宇宙のごとく膨張した私たちは
夜中に降りた霜に覆われて
      うたかた湖の近くの空地にうずたかく積み上げられ、

      そして
         中身についてはお互いに触れないよう心掛け、

      少しでも早く片付けられて
         無へと帰せられるその時をひたすら願う。


(丸山健二「千日の瑠璃 終結1」298ページ)  

以下引用文。世一が登場して「見るも無惨な姿になった私たちを丹念に拾い集めて 丁寧に折り畳んでから そっと寄り添ってくれる」
そんな世一とカラスの言葉のないやり取りが続く。世一の優しさ、不思議な強さが感じられる箇所である。

残飯漁りに余念がないカラスどもはというと
   生きるということはこういうことだとでも言わんばかりの
      そんな視線を少年の方へ投げ
         少年のほうでもまったく同じ意味を込めた眼差しを
            数倍もの強さで投げ返す。


(丸山健二「千日の瑠璃 終結1」301ページ) 

さりはま の紹介

更新情報はツィッター sarihama_xx で。
カテゴリー: さりはま書房徒然日誌 タグ: , パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.