さりはま書房徒然日誌2024年5月11日(土)

丸山健二「千日の瑠璃 終結2」一月二十日を読む

ー小難しい漢字が入ると文が老人めいてくるー

一月二十日は「私は老衰だ」で始まる。途中まで「老衰」が語る箇所は、「私は懸河の弁を揮って」の「懸河」とか、「後進を誘掖したのも」の「誘掖」など小難しい漢字が出てくる。
ちなみに日本国大辞典で調べれば
「懸河」(けんが)は「弁舌のよどみのないさまのたとえ」
「誘掖」(ゆうえき)は「みちびき助けること。補佐すること」だそうである。
いかにも老人らしい、気難しい表現が続いた後、世一のオオルリが「常に強い心組みで臨むべし」「そのひと言をもって瞑すべし!」と囀ると、老衰は素直な言葉で語り始め退散してしまう。
小難しい漢字を入れると、老人らしくなる……と思った。

鳥の言葉とは到底思えぬ
   気高い勢いに気圧され、

   生きる意味などとうとう得られなかった
      得ようともしなかった
         締まりのない生涯に
            今さらながら気づかされた私としては
               もはや早々に退散するしかなく

(丸山健二「千日の瑠璃 終結2」49ページ)


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