丸山健二『千日の瑠璃 終結3』七月七日を読む
ー少し視点を変えたら世界が新鮮ー
七月七日は「私はバスタオルだ」で始まる。
「まだ新しい ずば抜けた吸湿性の 黄色いバスタオル」が語る。
以下引用文。「綺麗に」「聞き古した」「投げやりな気分で」とタオルの目線になって丸山先生が語っているのが面白い。いつもは人間目線でタオルを見ている私としては、少し世界がひっくり返った感じになる。
きのうと同じように
私はシャワーの滴を綺麗に吸い取り
聞き古した自問自答をどこか投げやりな気分で吸い取り、
(丸山健二『千日の瑠璃 終結3』318頁)