さりはま書房徒然日誌2024年9月21日(土)

丸山健二『千日の瑠璃 終結4』八月二十一日を読む

ー宇宙とは厳しい戦いの場でもあり調和の場でもありー

八月二十一日は「私は土星だ」で始まる。食あたりで体調を崩した世一の夢に現れる土星が語る。


以下引用文。
世一に昼食をふるまった物乞いは、宇宙についてこう語る。厳しい生活を送る人の目がとらえるこの宇宙の緊張感が心に残る。

人々と同様
   星々もまた至る所で壮絶な死闘をくり広げており、

   そうするほかに生と存在を認識する術がないのだと
      きっぱり言い切って


(丸山健二『千日の瑠璃 終結4』99ページ)

以下引用文。土星が世一に語る宇宙の姿。宇宙とは、物乞いが語る緊迫感あふれるものかもしれないし、土星が語るように調和のとれた穏やかな世界なのかもしれない。どちらも真実であるような気がする。

この世が故意に造られたものではなく
   誰かの過失による偉大な産物というわけでもなく
      あくまで調和の上に成り立つ世界であることを
         知らしめようとした。


(丸山健二『千日の瑠璃 終結4』100ページ)


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