さりはま書房徒然日誌2024年10月4日(金)

丸山健二『千日の瑠璃 終結4』九月一日を読む

ーオオルリの鳴き声に姉への想いを反応させてー

九月一日は「私は相談だ」で始まる。世一の姉が最近態度が冷たくなってきている恋人・ストーヴ作りの男のことをオオルリに相談する。
以下二箇所からの引用。オオルリの鳴き声に姉への助言を込めた作者の視点、変わりゆくオオルリの様子が印象に残る。

するとオオルリは
   報恩の念にあふれた声でひとしきりさえずり、

   ついで
      だしぬけに荒々しい声に切り替え
         ずけずけと物を言い、

         つまり
            あいつは男のクズだと鳴き


(丸山健二『千日の瑠璃 終結4』145ページ)

それから
   最後にひと際厳しい声で
      恋愛の行方は女の出方いかんで決まると鳴き
         私への揺るぎない回答とした。


(丸山健二『千日の瑠璃 終結4』145頁)


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