さりはま書房徒然日誌2024年10月14日(月)

丸山健二『千日の瑠璃 終結4』九月十六日を読む

ー宇宙は無数にー

九月十六日は「私は体積だ」で始まり、世一の体の体積が語る。

以下引用文。丸山先生らしい「宇宙は無数に存在」するという考えが出ている箇所で興味深い。だんだんイメージが追いつかなくなったところで、ホウセンカの種が出てきて、なみみ深いこの世に帰ってくる感じがある。

こうした宇宙は無数に存在して
   さながら水泡のごとく
      ひっきりなしに消えたり現れたりしているのだから
         少しも貴重ではなく、

つまり
   永遠の存在もなければ
      永遠の無もなく、


無は自身のあまりの空しさに耐えきれずに
   のべつ揺らぎ、

その揺らぎが限界に達したところで
   特異点と化し、

そこから新しい世界の種が
   ホウセンカの種のように
      ポンと飛び出すのだ。


(丸山健二『千日の瑠璃 終結4』204頁)

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