丸山健二『千日の瑠璃 終結5』より十二月二十四日「私は雪だ」を読む
信濃大町のクリスマスイブの静けさ、人の営みを見つめる丸山先生の視線が感じられる文。俗の気配を見つめ、雪の山を見つめ……雪の世界に暮らす丸山先生だから見えてくる雪景色。
やがて戸毎に欲望の色の灯が点り まほろ町の白くて柔らかな全景がぼうっと滲み、屹然たる峰々も私のせいで円みを帯び どれもがその辺に横たわる名もない山と見分けがつかなくなり、(丸山健二『千日の瑠璃 終結5』198ページ)
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