丸山健二『千日の瑠璃 終結6』より三月二日「私は骨格だ」を読む
「少年世一の 柔軟に過ぎる肉体と 捉えどころのない精神を 内側から ともあれ支えている いかにも危うい」骨格が語る。
以下引用文。そんな世一の骨格でも、世一を与一たらしめているのだなあと思う。
世一の体の動きをもたらしている骨格に、世一ならではの存在価値を見出している。そんな言葉に丸山先生らしい視点を感じる。
世一がどこの誰よりも
ぎくしゃくした関係で成り立っている世間にしっくり馴染んでいるのは
全部私のおかげというわけで
(丸山健二『千日の瑠璃 終結6』71ページ)
世一ほどに
現世と円転滑脱な接し方ができる人間がほかにいるというのか
もしいたら
ぜひ教えてもらいたい。
(丸山健二『千日の瑠璃 終結6』73ページ)