丸山健二『千日の瑠璃 終結6』より三月二十三日「私は没頭だ」を読む
まほろ町の中学校の音楽教師の深まるばかりのシタールへの没頭が語る。
以下引用文。
「いつのきょうも 死ぬにも生きるにも絶好の日和」「各人各様に異常であり それ故に異常な世を生きることが可能」
丸山先生の気持ちが溢れてきたかのような言葉である。丸山文学ファンは、こういう考えに惹きつけられる人が多いのではないだろうか。
厄日や悪日などはいっさい存在せず
いつのきょうも
死ぬにも生きるにも絶好の日和であると保証してやり、
そのうえで
人は皆
各人各様に異常であり
それ故に異常な世を生きることが可能で
死ぬることもできるのだと
力強くも神々しい音波で語る。
(丸山健二『千日の瑠璃 終結6』153ページ)