丸山健二『千日の瑠璃 終決7』より五月二十七日「私は軟風だ」を読む
以下引用文。どこにでもありそうな風景を吹き抜けてゆく軟風。
実に奇妙で
とても滑稽で
いささか残酷な
しかし世間的にはありふれている
そんな事件が継起しているまほろ町を
声ひとつ立てずに吹き抜けてゆく
(丸山健二『千日の瑠璃 終決7』14ページ)
以下引用文。ただ、こういう考えをほのめかしてくれる書き手は、あまり多くないかもしれない。コースアウトしても気が楽になる文ではないか。
さらには
利益集団に組みこまれるための
ただそれだけのための教育を熱心に受ける学生たちに
そうではない道もちゃんと在ることをほのめかし
(丸山健二『千日の瑠璃 終決7』16ページ)