並装から上製本へ改装 その1
昨日は中板橋の手製本工房まるみず組へ。
しばらく並装から上製本へ、糸かがりで改装本にするレッスンを受けることに。
短歌の会でお世話になっている方の歌集を題材に。
まず分解して分からなくならないように、ノンブル(ページ数)の入っていないページも特徴をメモ。
16ページ一折の折丁にした場合、何折と何ページになるか計算。

短歌の場合、作業をしながらしみじみ心で口ずさみながら作業出来るのがよい。
これが自作だと、改装するより文章を丸ごと書き換えたくなってくるから、あまり自作ではやりたくない。
ノリボンドでしっかりくっついている本文、見返し、表紙を、じわじわ力を入れて剥がしてゆく。
破ることなく分解成功。

ヘラでノリボンドを背中に押しながら、一枚ずつ剥がしてゆく。
剥がしながら歌を読み、のんびり剥がしてゆく。
ノリボンドが厚く塗られているので結構力がいる。

本文も一枚ずつ剥がして分解完了。
真ん中の千歳飴みたいなのが、並装の本を支えているノリボンド。

先生に「ノリボンドは劣化しないのですか?」と訊く。
やはりノリボンドも空気に触れ、乾燥してゆくうちに劣化して、パキッと割れてしまうとのこと。
同じように紙も劣化してゆくとのこと。
関西の修復工房の方も
「今、ホチキスでとめていた頃の雑誌のホチキスが一斉にボロボロになる時期にさしかかっている。
全国の図書館からホチキスから和綴にしてもらいたいと修復の依頼がある」と言われていた。
ノリボンドもホチキスと同じように一斉に劣化、糸かがりでない本がバラバラになる時期がくるのだろう。
本も読んでもらうためのエコノミーな本、それからタイムカプセル的発想で長い時間に耐えられる製本で作った本と分けて作ってもいいのかも。
タイムカプセル本は図書館に寄贈して。
などと思いつつ本日の作業はおしまい。
次回までに見返しに使う赤い紙、
本文の前後に挟んで保護するギャルドブランシュに使う本文と似た紙を用意しなくては。
多分和紙を細長く切って、各ページの端に貼り付け、糸でかがっていく作業なるのだろう。
どうかうまくいきますように。