さりはま書房徒然日誌2025年11月24日(月)

丸山健二『千日の瑠璃 終結7』より八月十二日「私は洞窟だ」を読む

訳あって家を失ってしまった若者が転がりこんだ洞窟。

その洞窟が語る若者の追い詰められた心情。

その心をよく見つめていながら、「洞窟」という第三者?に語らせることで冷静な視点を保っているように思い、その分感動が強まる気がする。

遣りきれない孤独感も
   底なしの虚しさも
      容赦のない煩悶も
         好き勝手に出入りして
            自由に暴れ回るのだが、


(丸山健二『千日の瑠璃 終結7』323ページ)

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