さりはま書房徒然日誌2026年1月13日(火)

丸山健二『千日の瑠璃 終結8」より九月一日「私は鼻環だ」を読む

子供のいない夫婦がペットとして飼う牛。その鼻につけられた鼻環が語る。

以下引用文。鼻環を相手に牛は自由への思いをぶちまける。

きっと牛がただモーモー鳴いている風景に、自分の思いを展開する丸山先生の視点に面白さを感じる。

さらには
   動物における真の自由は何かということについて
      ああでもないこうでもないとぶちまくり、

そのとき牛の耳は
   虚弱体質とはちょっと異なる少年の独り言を捉え、

同時に

   澄みきった瞳が
      草原に延びる赤土の道と
         過去の片鱗も留めぬ陽光を
            くっきりと映し出した。

柵を蹴破ってそっちへ向かう際
   牛は私に「おまえにも広い世界を見せてやる」と言い放った。


(丸山健二『千日の瑠璃 終結8」5ページ)

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