アルフレッド・マーシャル 経済学原理 第八版への序文 23ページ

社会に関する歴史には段階があって、その段階において収入の特徴が生じたが、それは人間関係を支配してきた土地の所有権によるものである。おそらく土地の所有権のほうが人間より上位にたつと、もう一度主張する者もいるかもしれない。しかし今の時代においては、新興国から踏み出した第一歩は陸上や海上における低価格の移動運賃に助けられることになり、収穫逓減への傾きがほぼ停止したのである。その意味では、収穫逓減という言葉がマルサスやリカードによって用いられたとき、英国の労働者の一週あたりの賃金は、良質の小麦1ブッシェルの半分の価格より低いものだった。もし人口の伸びが現在の率の1/4倍となり、その状態が長く続いたとしても、土地のあらゆる使用に対する地代の合計(公共機関による規制をうけないと仮定する)は、他の形式の物的財産を剥奪したことによる収入を合計したものを上回るかもしれない。たとえ20倍の労働を示すことになるかもしれないとしてもだ。(23ページ)(さりはま訳)

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