アルフレッド・マーシャル 経済学原理 第八版への序文 24ページ

こうした事柄については、現在までの版で、ますます重要視されてきたことである。製造と貿易の枝分かれしたあらゆる部分に、限界収益点(生産量をわずかに増加させたときの総収益の増加分)があるという関係事項についても同様である。限界収益点については、仕事をする人がどんどん利用するようになると、定められた状況のもとで利益をだすようになるだろう。しかし、そうした状況をこえても、限界収益点をもっと適用していくことで、収穫逓減(しゅうかくていげん・・・他の生産要素(例えば土地)を一定とし一生産要素(例えば労働)のみを増加させると、収穫の絶対量は増加するが、その増加率は漸減すること)が生じるだろう。需要がふえていかなければ、収穫逓減を生じるのに必要な製造者が適切な数に増えていくことにもならない。補足的な事実だが重要視されつつある事実がある。それは限界収益点は統一されたものでもないし、絶対的なものでもないということである。限界収益点が変化するのは、問題の状況にもよるし、とりわけ言及されることになる期間の長さにもよる。ルールは世界共通である。(1)限界費用(生産量を一単位増やすことによって生じる総生産費の増加分)は価格を支配しない。(2)限界収益点においてのみ、価格を支配する力で活動をおこない、はっきりとした光でその力見ることができる。(3)限界収益点とは長い期間にわたって永続的な結果に関連して研究されなければいけないものであり、短い期間に一時的な変動に関連して研究されなければいけないものとは異なる。(さりはま訳)(24ページ)

さりはま の紹介

更新情報はツィッター sarihama_xx で。
カテゴリー: マーシャル経済学原理 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.