アルフレッド・マーシャル 経済学原理1.Ⅱ.15と16

経済学が扱う多くの出来事は、だいたい等しい比率で、社会のすべての階層に影響を及ぼす。そこで幸せが同じような二つの出来事によって生じるものであり、その幸せについてお金で測るなら、二つの出来事における幸せの量が等しいと考えることは合理的であり、一般的なことでもある。そして更に、お金が生活においてよく利用され、それが西洋世界の二つの地域から、とくに好みもなく抽出されたグループにおいて、等しい割合で利用されるときのことである。物質的な富を同じようにつけ加えるということは、人生における充足感を同じようにつけ加えるということである。そして人類の真の進歩につけ加えるということでもある。(1.Ⅱ.15)

 §3 他の見地から考えてみよう。欲望に対する行動から動機が形成されるとき、その欲望の程度について考えてみても、すべての行動がよく考えられた結果のようには思えないし、計算されたものであるようにも思えない。これは他のあらゆることにしても同様に、経済学が人間を普通の生活にいるものとして扱っているからである。そして普通の生活では、あらゆる行動の結果に、あらかじめ重点がおかれることはなく、生活へ衝撃をあたえるものが高い特質からくるものだろうと、低い特質からくるものだろうと関係ない。(1.Ⅱ.16)

 

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