第一に経済学者が取り扱うのは、観察することが可能な事実であり、測定や記録が可能な量なのである。そこで、そうした事柄に関して意見の違いが生じたときでも、違いをみんなで吟味して、しっかりとした記録に残すことが可能になるのである。このようにして経済学は、その研究にしっかりとした基礎を築く。第二に、経済学として束ねられる問題は、人の行動に関したものである。また、それはお金の価値によって測られる動機の影響をうける。経済学の問題とは、均質のグループをつくろうとして見いだされるものである。もちろん、経済学には共通する課題が山積みである。それは事例の特徴からも明らかなことである。ア・プリオリ(原因から結果へというように)に明らかではないけれど、そこで明らかになる真実とは、主な課題が、基本的にまとまったものであるということである。その結果、共にそうした課題を研究することによって、同じ類の経済を達成することになる。それは言わば、それぞれの人が個々の郵便配達人に手紙を預けるのではなく、郵便配達人をたった一人派遣して、すべての手紙をある街区に配達するようなものである。つまり分析と理由づけの過程がそれぞれのグループに求められているものであり、他のグループにとっても役に立つということなのである。(1.Ⅱ.34)
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