アルフレッド・マーシャル 経済学原理 1.Ⅱ.35

だから、あまり堅苦しい調査には悩まないほうがいい。例えば、経済学の範疇で、なんらかの報酬が生まれるかどうかということに関するものである。もし、そうしたことが重要なら、できる限りにおいて考慮しようではないか。仮に、そこに独創的な意見が生じるようなものであり、その知識が正確なものなのかどうかと吟味することも、また、よく確かめられたものなのかどうかと吟味することも不可能だとしてみよう。分析したり推論したりする一般的な経済学の仕組みが、その調査で掌握できないものなら、そのときは、純粋な経済学の研究の域にとどめておこう。でも、単純に考えてみよう。そうしたことまで研究の域に含もうと試みることは、私たちの経済に関する知識の確実性と正確さを低下させることであり、その試みが報いられるだけの利益はない。また、そうした判断が、倫理的本能や常識によってなされるものであるということは常に記憶しておくべきである。こうしたときにおいて、経済学者が最終的な審判者として、経済学や他の科学のおかげで学んだり考えたりした知識を、実践的なことがらにあてはめるようになるのである。(1..35

 

さりはま の紹介

更新情報はツィッター sarihama_xx で。
カテゴリー: マーシャル経済学原理 パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.