アルフレッド・マーシャル 経済学原理 1.Ⅳ.19~20

 

しかし、現実的な必要性に主として導かれたとしても、経済学は可能な限り、団体組織について緊急性のある話し合いを避けるものであり、国内外の政策についての外交交渉をさけるものである。こうした政策について、政治家が考慮せざるをえなくなるのは、自分が提案することができる基準のうち、国のために実現したい目標に一番近づくものとは何なのか決めるときである。経済学が目指すものとは、政治家の目標決定を手伝うことだけでなく、その目標に捧げられた幅広い政策のうち、最高のものとは何かを決定することでもある。しかし、経済学は、政治的なことがらをたくさん避けてしまう。しかしながら経験をつんだひとであれば、そうしたことは無視できないものである。それゆえ経済学とは、科学と芸術というより、純粋に応用的な科学なのである。さらに「政治経済」という狭い語で語るより、「経済学」という幅広い語で説明したほうがいい。(1.Ⅳ.19)

 

 §5.経済学者は、三つの優れた能力を必要とする。それは理解力、想像力、推論する力である。とりわけ必要とされているのは想像力であり、遠く離れたところのものだろうと水面下のものだろうと、目に見える出来事の跡をたどるのに必要である。また遠く離れたところのものだろうと、水面かのものだろうと、目に見える理由の結果の跡をたどるのに必要である。(1.Ⅳ.20)

 

 

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