財産の権利は、経済学を築き上げた卓越した頭脳の持ち主から、あがめられることはなかった。そうした結果、経済学の権威は、既得の権利を正反対の方向へ要求したり、反社会的な使い方をしようとする者たちから、不当に扱われてきた。慎重に経済学について研究しようとする傾向は、個人の所有権を理論の原則におかないで、充実した進歩から切り離すことのできなかった観察に原則をおいている。また社会生活が理想的な状況にあるために不適切に見える権利を廃止したり、変えていこうとしたりして、責任あるひとたちが注意深く、試験的にすすめていくものを観察することに原則をおいている。(1.Ⅳ.31)
この章の覚え書き
16.このセクションは、経済学の課程を創設するように主張したものを再生したものであり、1902年にケンブリッジ大学で講演された政治学の部門と関連づけられている。その結果、経済学の課程は明くる年に承認された。