彼女も認めざるをえないが、もし議会で論議すれば、その理論はかなりもろい代物であった。だが晩餐の食卓では、その理論の成功はたいていの場合、意気揚々と証明された。
「どなたが来るのかしら」フランチェスカはたずねると、至極当然な疑問をはさんだ。
「コートニー・ヨール。たぶん母さんの隣に座ることになるから、沈没させてしまうような意見を考えて用意しておいた方がいい。それからエレイン・ド・フレイ」
「その方のことを聞いたことはないと思うけど。どんな方なの」
「どうってことのない女性だけど、まじめな人からすれば可愛い方、それに不作法なくらいの金持ちだ」
「彼女と結婚しなさい」助言がフランチェスカの唇へむかってほとばしりでかけたが、塩漬けのアーモンドと共にその言葉をこらえたのは、言葉のせいで目的が台無しになることもあるという事実をすばらしくよく理解していたからだ。
「キャロラインもトビーとか甥の息子のために、おそらく自分の基準を下げたのね」彼女は口がすべってしまった。「小金があれば、そういうときには役に立つものね」
コーマスは、彼女のお気に入りの喧嘩好きな表情で下唇をゆがめた。