サキ 「耐えがたきバシントン」 Ⅳ章 30回

彼が有益な結婚に取り組むべきだということは明らかであったが、まじめに考えるとは彼女は敢えて思わないことにした。もし魅力もあって利益をもたらす娘といちゃつくことになれば、性格にかなりつむじ曲りなところがあるせいで、彼は強く求愛をすることになるかもしれないが、それは純粋に夢中になっている他の求婚者を押し倒したいという欲望にすぎないからかもしれない。はかない希望であった。余りにはかない希望であるために大嫌いなコートニー・ヨールの慈悲にすがって、コーマスにおよぼしている影響に便乗する考えが彼女の脳裏にうかび、大急ぎで思いついた計画をすすめようとした。なにはともあれ晩餐会は、彼女がもともと期待していたものよりも、更に興味深いものになることが約束されていた。

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