サキ「耐えがたきバシントン」Ⅳ章 31回

レディ・キャロラインは、政治上の社会主義者を公言していたが、もっぱらそれが信じられていたのは、彼女がこのようにして可能にしたこととは、当時の自由主義者、保守主義者のほとんどと意見を違え、そして社会主義者のすべてと意見を違えることだったからである。彼女はしかしながら、自分の社会主義が階下の召使い部屋に浸透することを認めなかったので、調理人や執事は独立したひとになるようにという叱咤激励をあらゆる面でうけた。フランチェスカは熱心かつ知的な食事の批評家でありながら、彼女をもてなしてくれる女主人の台所と食料庫には何の疑念もいだかなかったが、それでも宴席における人間の姿をした添え料理のせいで、彼女の心はさらなる不安にふくらむのだった。たとえばコートニー・ヨールは見事なまでに黙り込んでいるだろうし、彼女の兄のヘンリーはきっとその逆だろう。

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