ロザムンド・ハント嬢の姿もあったが、まだ上等の白い帽子をかぶって、角張っているけれど器量のいい顔は帽子に縁どられていた。彼女が漂わせている、生まれついての雰囲気とは、予定どおりに開催されなかったパーティのために着飾っているという感じがするものだった。彼女にもまたムーン氏のように、新しい連れがいた。この物語がはじまってから初めて出てくる新しい連れという意味であり、実際には古くからの友達であり、保護されている存在でもあった。その連れは細身の、若い女で、濃いグレーの服に身をつつみ、人目をひくようなところは一切ないが、豊かな、赤々とした髪だけは別だった。その髪のせいで、彼女の青ざめた顔は三角形の、先がとがった顔立ちであったが、下にさがった頭飾りも、エリザベス朝風の見事な、幅広の高価な襟飾りも、尖った容貌を強調していた。
There was Miss Rosamund Hunt, still with the fine white hat framing her square, good-looking face, and still with her native air of being dressed for some party that never came off. She also, like Mr. Moon, had a new companion, new so far as this narrative goes, but in reality an old friend and a protegee. This was a slight young woman in dark gray, and in no way notable but for a load of dull red hair, of which the shape somehow gave her pale face that triangular, almost peaked, appearance which was given by the lowering headdress and deep rich ruff of the Elizabethan beauties.