チェスタトン「マンアライヴ」二部二章第243回

この役にたたない貴族趣味の男が賛美にはしり、体のきよらかさや、魂における慣習について、体も、魂もほとんど律することのできない連中を相手にして賞賛すると、私たちの演台にむかって人々が押し寄せてきた。救うだけの値打ちもない男だが、私は彼を救う仲間にくわわった。よく姿は見えないながら、彼を助けた者のあとにつづいていくと、やがて以前お話したように、私たちは塀の上に立っていて、霧のたちこめる薄暗い庭を見下ろしていた。そのとき牧師補と泥棒が見えたわけだが、そこで判断をくだしたのは、霊感がひらめいたからで、この二人のなかでは泥棒のほうがましな人間だと考えたからだ。

 

“When this helpless aristocrat had praised cleanliness in the body and convention in the soul to people who could hardly keep body and soul together, the stampede against our platform began. I took part in his undeserved rescue, I followed his obscure deliverer, until (as I have said) we stood together on the wall above the dim gardens, already clouding with fog. Then I looked at the curate and at the burglar, and decided, in a spasm of inspiration, that the burglar was the better man of the two.

さりはま の紹介

更新情報はツィッター sarihama_xx で。
カテゴリー: チェスタトンの部屋, マンアライヴ パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.