チェスタトン「マンアライヴ」二部二章第256回

私の案内人が飛び降りたのは暗い穴のなかで、それは煙突が倒れたせいで出来たものだった。だいぶ下に着地したようで、彼は背が高いのだが、見えているものといえば、もじゃもじゃの頭だけであった。はるか昔の、でも懐かしい記憶がよみがえり、ひとの家を侵入していくこのやり方に喜びをおぼえた。私が考えたのは小さな煙突掃除夫についてであり、「水の子供たち」のことであった。だが、そうした状況ではないと思い直した。それから、こうした破天荒な不法侵入なのに、何が犯罪とは真逆のものに結びつけているのか思い出した。それはもちろんクリスマスイヴであり、煙突をおりてくるサンタクロースである。

 

“My guide had jumped down into the dark cavity revealed by the displaced chimney-pot. He must have landed at a level considerably lower, for, tall as he was, nothing but his weirdly tousled head remained visible. Something again far off, and yet familiar, pleased me about this way of invading the houses of men. I thought of little chimney-sweeps, and `The Water Babies;’ but I decided that it was not that. Then I remembered what it was that made me connect such topsy-turvy trespass with ideas quite opposite to the idea of crime. Christmas Eve, of course, and Santa Claus coming down the chimney.

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